第92章 どう見ても三、四億はあるだろう!

井上誠治郎の瞳孔がわずかに見開かれ、次の瞬間、針のように収縮した。

「貴様ッ! ごほっ、ごほっ!」

井上颯人を指さす彼の手は小刻みに震え、顔色は蒼白だった。激しい怒りが喘息の発作を誘発し、彼は激しく咳き込むと同時に、みるみるうちに顔を赤黒く変色させていく。

井上莉子の顔色が変わり、慌てて井上誠治郎に飛びつくと、その胸を必死でさすった。「あなた、落ち着いて! お願いだから落ち着いて!」

「颯人! 早く土下座なさい! お父さんに謝るのよ!」

井上颯人も、咳が止まらず胸を押さえて苦悶の表情を浮かべる井上誠治郎の姿に肝を冷やした。ドサリと膝をつく。「父さん、俺が悪かった!」

「体、大事に...

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